税務ニュース

贈与があった場合の個人と法人の課税上の取扱い

 贈与は、個人間だけでなく、個人と法人または法人間で行われることもあります。これを分類すると、①個人から個人、②個人から法人、③法人から個人、④法人から法人、の四つの贈与に分けることができます。これらは、それぞれ課税の取扱いが異なり、一般に理解しにくいところでもありますので、以下整理してみます。

1、個人から個人

 財産をあげる者には税金がかからず、財産をもらった者に原則として贈与税がかかります。ただし、現在一暦年ごとに一一〇万円までは基礎控除として贈与税が課税されない他、婚姻関係が二〇年以上である配偶者から、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合には二、〇〇〇万円の控除、一定の期間に二〇歳以上の者がその直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合には、一定額の控除があります。具体的な贈与税額は、図表1に、負担率は図表2が見やすいので参照して下さい。

2、個人から法人

 ①法人への贈与 法人は、財産を時価でもらったことになり、その受贈益に対して法人税が課税されます。具体的には、期末資本金一億円以下の法人の場合、年八〇〇万円相当額までは法人税が一八%、超過分は三〇%かかります(事業税、住民税省略)。土地を例に仕訳をすると次のようになります。

 一方、個人も、財産を時価で贈与したとして「みなし譲渡所得課税」が適用されます。具体的には、財産を時価で売却し収入があったとみなし、その財産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税がかかります。そのため、購入時よりも値上がりしている土地のよう
に含み益がある財産を法人に贈与すると、個人にも税金がかかることになります。現金で贈与する場合は、含み益がないので、みなし譲渡所得課税は適用されません。具体的には、不動産を個人が譲渡した場合、他の所得とは区分した申告分離課税となり、次の税率が適用されます。この表で「長期譲渡所得」というのは、土地や建物を売った年の一月一日現在で、所有期間が五年を超える場合を指し、該当しない場合は「短期譲渡所得」となります。

 ②同族会社への贈与 同族会社に贈与した場合、株式等の価格が増加したときは、増加した部分に相当する金額の贈与を株主は受けたことになります。このため、財産をあげた個人ともらった同族会社双方に税金がかかるだけでなく、同族会社の株主にも贈与税がかかります。

3、法人から個人

 法人には、財産を時価で譲渡したとして法人税がかかります。仕訳で示すと以下のとおりです。

  貸方(右側)は、時価と所得価格との差額が売却益となります。借方(左側)は、法人と個人間に、従業員や役員等の雇用関係があれば賞与・役員賞与に、雇用関係がなければ寄付金になります。贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。会社など法人から財産をもらったときは個人には贈与税はかかりませんが、所得税がかかることになっています。この場合、法人と個人間に雇用関係があれば給与所得に、雇用関係がなければ一時所得になります。一時所得は次のように算定されます。

4、法人から法人

 財産をあげた法人は、3と同様に財産を時価で譲渡したとして法人税がかかります。一方、財産をもらった法人は、財産を時価でもらったことになり、受贈益に法人税がかかります。

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