~旅費交通費をめぐる税務~
<内容の確認が重要>
本来、宿泊を伴うような比較的遠隔地の出張費用を「旅費」近距離の出張費用を「交通費」といい、会社によっては両者を区分して経理することもありますが、一般には旅費交通費として一括で処理されています。
この費用の処理は、注意すべき点が意外と多くあります。そこで、以下、旅費交通費を巡るポイントを整理します。
1、通勤手当の再確認
通勤手当は、政策的配慮のもとに表1の非課税限度額をの態様別に定めています。この限度額を超えて支給したものは、給与となるのでチェックが必要です。
2、目的により科目が異なる
仮に同じ地域への出張であったとしても、その目的により表2のように勘定科目が多岐にわたるので、経理担当者は十分に出張の理由等を把握した上で、処理する必要があります。
例を挙げると、次のようなものがあります。
(1)交際費に当たるもの
①同業者とゴルフをするための旅費
②得意先を接待するために送り迎えをしたタクシー代
③取引先の冠婚葬祭に出掛ける時の交通費、日当、宿泊代
(2)福利厚生費に当たるもの
ただし、名目は社員旅行であっても、実質的には給与に該当するケースがありますので注意が必要です。
国内旅行、国外旅行を問わず社員の給与にしないためには、その旅行が「会社の主催」であることを立証する必要があります。立証条件は、次の二つです。
①旅行参加者の割合が50%以上であること
②旅行の日程が四泊五日以内であること
なお、勘定科目が間違ったとしても損金性が明らかであればあまり問題視されませんが、交通費とか給与になるものを旅費交通費にしておくと税務上のトラブルになります。表2でいう②、⑤、⑨が要注意です。
交際費になれば資本金にもよりますが課税対象となり、給与は即、源泉所得税の問題が生じます。
3、旅費規程の活用
会社から給与の支給を受ける者が、業務上の必要から旅行をし、その旅行に必要な金品を支給された場合、それが通常必要と認められる範囲内のものであれば損金とされ、支給を受けた従業員は給与として課税されることはありません。
通常必要と認められる範囲内のものかどうかは、旅行する従業員の会社における業務内容や地位、旅行の目的、出張先への行路等によって判断され、具体的には旅行費用を支給する会社と同業種、同規模の他の会社が支給している金額と比較して妥当かどうかで判断されます。
仮に不相当に高額な旅費を支給していることになると、適正額を超える部分については給与として課税され、役員の場合には賞与となり、損金の額に算入されません。
また、会社の業務出張旅費は実務精算が望ましいのですが、運賃や宿泊費のほか旅行中に要する諸雑費も多く、これをすべて個々に精算していたのでは事務が煩雑になるばかりか、旅行費用の抑制や旅行者相互間の公平を欠くことにもなります。
そこで一般的には、旅費規程を設け、飛行距離や旅行者の地位等に応じた一定額を支給し、それが通常必要と認められる範囲内のものであれば、たとえ支給額と実際の支給額との間に過不足が生じたとしても、税務上問題とされることはありません。
出張旅費規程の基準例を掲げると表3、4のようになります。


